今回は福岡競艇場の特徴やデータ、傾向について詳しく掘り下げて解説していきます。
福岡県福岡市にある競艇場で、福岡県に3つある競艇場の一つになります。
福岡県の中心街・天神から徒歩でわずか10分程度と平和島競艇樹と並んで「都市型競艇場」の代表格として知られています。
第1ターンマーク側が那珂川の河口部に突き出ている全国的に見ても得意な競走水面となっており、水質や干満差などクセがある競艇場です。
次項から福岡競艇場の特徴について解説していきます。
福岡競艇場の基本情報
所在地
福岡県福岡市中央区那の津1丁目7-5
公式サイト
ボートレース福岡-オフィシャルサイト
レース映像
BOAT RACE BB(JLC)-福岡
開催時期
通常開催及び、サマータイムレース(12時~18時)開催
モーター交換時期
6月
福岡競艇場の概要
福岡県福岡市にある競艇場で、福岡の中心街・天神まで徒歩10分圏内と平和島競艇場と同様に都市部からとても近い距離にある競艇場です。
九州5場の中では最も1コースの信頼度が低く、1コース1着率は54.1%。入着率は80.1%と低めの数値となっています。(2020/5/1~2021/4/30集計)
マスコットキャラクターは「ペラ坊」くんとガールフレンドの「ペラ美」ちゃん。
頭にペラのついた人型のキャラクターで名前は一般公募で名付けられました。
ご当地感はあまりないキャラクターですが、土日や祝祭日などには着ぐるみイベントもありファンサービスは積極的に行ってくれています。
福岡競艇場の特徴
コース形状
(引用:ボートレース福岡公式サイト-福岡水面攻略)
海上に設置された競艇場で、画面右側の1ターンマーク側は福岡市内を通る那珂川に突き出た特殊な形状をしています。
1マーク側が微妙に競り出ており、スタート地点63,75mから1ターンマーク50mというコース幅で振り幅は13m超と大きく、形状的にもインコースは不利、加えてスタート地点幅が63.75mと広いことで5・6コースは1ターンマークまで遠く、1着率が極めて低くなっています。
この1マーク側では満潮時には那珂川の流れと博多湾の海流がぶつかることでうねりが発生します。
うねりが発生すると艇がバタついたり、握った艇が外に流れたり等、非常に乗り辛い水面となります。詳しくは水質の項で解説します。
バック側は最大110mと広め設計で抜きの比率も標準的にあります。
第2ターンマーク側を見ると、奥行きが70mと短めの距離になっています。
通常、ダッシュ勢は200m程助走距離が取れるのですが、福岡競艇場では2マークの奥行きが狭く180m程度しかありません。
そのためスタート時にダッシュ勢が十分な助走距離を取れないため、ほかの競艇場と比べるとやや不利といえるコース形状です。
ピットに関しても全24場で唯一、バック側にピットがあります。
ピットからは約110mと標準的ですが、アウトコースの艇がやや回り込む形になるため進入隊列は乱れにくくなっています。
併せて、前付け艇がいると上述の助走距離の短さも相まって深いスタートになりやすいので、前付け艇の1つ外の艇を狙うのがセオリーとなっています。
また、2マーク側はコンクリートで護岸されており波が分散することができないため、引波が残りやすくここでの逆転の可能性も大いにあり、乗りなれた地元選手が優位に進めることができます。
水面・風の特徴
水質
博多湾の奥まった部分、那珂川の河口付近の位置にあるのが福岡競艇場です。
海上の競走水面となりますが、航空写真で見ると那珂川の河口部といった表現が適当な位置に感じます。
那珂川は福岡市内を縦断するように流れる川で勿論淡水で、博多湾との合流部分にある福岡競艇場は海水と混ざった「汽水」水質になります。
この独特な地理条件により、満潮時や風向き・風量などが重なると1マーク側では福岡競艇場特有のうねりが発生します。
うねりが発生する条件としては主に満潮時で、これに北東からの横風が加わるとより複雑なうねりとなります。
うねり防止の為にパトロン(消波装置)を設置するなど対策をし、改善に取り組んでいますが解消とまでは至ってないです。
うねり時の特徴はまくり不利です。
艇が暴れやすくなりどのコースにも乗り難い水面となるのですが、満潮時の外に流れやすい水面が更に荒れて艇の制御がつかないことによります。
スタート後第1マークまでに1艇身以上抜け出る「絞りまくり」の場合でも捲りきって差されるパターンがあるので注意が必要です。
逆にうねりが無いときは状況が一変し、引き潮時に西風が弱いと1マーク付近は静水面となり、捲くる選手が活躍しやすくなります。
また、ここでも走りなれた地元選手の方がうねりにも対応できる分、有利に進めることができます。
水質うねりの発生等でインコースが有利を受ける水面ですが、高度な旋回技術を求められる振り幅の大きい1マークがインコースの受難を生んでいます。
風の特徴
風向きや風速が変わりやすく、舟券を買う時は直前の風の状況の確認は必須となっています。
主な風向きとしては、博多湾から吹き込む左横風。
左横風となると、捲りに構える奇数番艇がターン時に失速しやすくなり、インコースや差しに構える2・4コースが若干有利に。
また、夏場は向かい風、モーターパワーが低下しやすいことと重なりアウト優勢になりやすい傾向があります。
逆に冬場は追い風傾向。
モーターパワーも上がりイン優勢になりますが、差し場は生まれやすくなるので注意が必要です。
基本的な風のセオリー自体はあてはまりますが、元々インコースが弱い水面ということもあり風のおかげで1コースが有利になる。といった事は少なめ。
・追い風1~3mまでは行き足がつきやすくスローのインコースが有利
・追い風4m↑からは1マークで流れやすくなり、コース不問で差し有利(2.4コース)
・向かい風1~3mまでは十分な助走距離を取れるダッシュ勢が有利。
・向かい風4m↑からは波乱の展開。センター・ダッシュが有利だが思わぬ展開にも。
この辺りは共通事項ですので覚えておくと良いでしょう。
福岡競艇場の風は舟に影響を与えるというよりは水面に与える影響のほうが強いため、潮汐には注意を払いたいです。
コース別入着率(直近3ヶ月のデータ)
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 52.3 | 19.4 | 8.7 | 7.8 | 5.9 | 5.6 |
2 | 20.0 | 27.6 | 18.5 | 14.9 | 11.0 | 7.7 |
3 | 13.7 | 21.7 | 21.5 | 19.2 | 11.2 | 12.7 |
4 | 10.9 | 17.1 | 21.2 | 19.5 | 19.6 | 11.4 |
5 | 2.8 | 12.0 | 17.8 | 21.7 | 26.6 | 18.9 |
6 | 1.4 | 3.1 | 13.3 | 17.6 | 25.1 | 39.2 |
(集計期間:2021/3/1~2021/5/31 単位:%)
・2・3コースの勝率が高く、インに弱い選手が入る時は積極的に狙いたい。
コース別決まり手
コース | 逃げ | 捲り | 差し | 捲り差し | 抜き | 恵まれ |
1 | 95.8 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 4.1 | 0.0 |
2 | 0.0 | 31.7 | 55.8 | 0.0 | 10.0 | 2.3 |
3 | 0.0 | 45.4 | 14.7 | 27.2 | 11.3 | 1.1 |
4 | 0.0 | 54.2 | 20.0 | 18.5 | 5.7 | 1.4 |
5 | 0.0 | 27.7 | 0.0 | 50.0 | 22.2 | 0.0 |
6 | 0.0 | 33.3 | 0.0 | 44.4 | 11.1 | 11.1 |
(集計期間:2021/2/1~2021/4/30 単位:%)
枠番別コース取得率
コース | 1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース |
1 | 98.6 | 1.0 | 0.1 | 0.0 | 0.0 | 0.1 |
2 | 0.4 | 92.5 | 5.7 | 0.9 | 0.0 | 0.3 |
3 | 0.4 | 1.5 | 90.2 | 5.8 | 1.5 | 0.3 |
4 | 0.1 | 1.8 | 1.8 | 87.5 | 7.4 | 1.2 |
5 | 0.3 | 1.3 | 0.9 | 3.0 | 82.8 | 11.4 |
6 | 0.0 | 1.5 | 1.2 | 2.6 | 8.3 | 86.2 |
(集計期間:2021/1/1~2021/3/31 単位:%)
春季のコース別入着率
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 52.3 | 19.4 | 8.7 | 7.8 | 5.9 | 5.6 |
2 | 20.0 | 27.6 | 18.5 | 14.9 | 11.0 | 7.7 |
3 | 13.7 | 21.7 | 21.5 | 19.2 | 11.2 | 12.3 |
4 | 10.9 | 17.1 | 21.2 | 19.5 | 19.6 | 11.4 |
5 | 2.8 | 12.0 | 17.8 | 21.7 | 26.6 | 18.9 |
6 | 1.4 | 3.1 | 13.3 | 17.6 | 25.1 | 39.2 |
(集計期間:2020/03/01~2020/05/31 単位:%)
夏季のコース別入着率
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 59.2 | 11.7 | 8.3 | 9.7 | 6.7 | 4.1 |
2 | 13.5 | 31.8 | 18.5 | 16.9 | 12.1 | 7.0 |
3 | 16.0 | 24.2 | 21.9 | 17.4 | 10.7 | 9.5 |
4 | 7.6 | 17.4 | 25.9 | 20.0 | 16.6 | 12.3 |
5 | 3.9 | 11.5 | 18.0 | 22.8 | 25.6 | 18.0 |
6 | 0.5 | 4.6 | 8.6 | 14.4 | 29.3 | 42.3 |
(集計期間:2020/06/01~2020/08/31 単位:%)
・加えて3コースの成績が上昇し、展開のキモとなる。
秋季のコース別入着率
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 55.0 | 17.6 | 9.2 | 7.6 | 5.6 | 4.7 |
2 | 15.9 | 28.8 | 19.4 | 12.6 | 11.6 | 11.4 |
3 | 16.0 | 19.5 | 20.0 | 20.0 | 14.5 | 9.7 |
4 | 9.2 | 19.6 | 22.4 | 18.7 | 16.1 | 13.9 |
5 | 3.7 | 11.8 | 18.2 | 24.4 | 25.3 | 16.4 |
6 | 1.7 | 3.9 | 12.2 | 17.6 | 26.7 | 37.5 |
(集計期間:2020/09/01~2020/11/30 単位:%)
・3コースまでのスロー勢で1着率85%超と高く、舟券の組み立てはスローメイン。
冬季のコース別入着率
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 54.9 | 18.0 | 9.4 | 6.2 | 5.7 | 5.5 |
2 | 15.7 | 28.7 | 19.9 | 14.9 | 11.5 | 9.0 |
3 | 17.0 | 21.9 | 19.6 | 16.0 | 13.4 | 11.7 |
4 | 8.3 | 19.4 | 24.1 | 22.3 | 15.5 | 10.7 |
5 | 5.2 | 9.4 | 19.4 | 23.0 | 26.2 | 16.6 |
6 | 0.4 | 4.1 | 8.9 | 19.1 | 28.1 | 39.1 |
(集計期間:2020/12/01~2021/02/28 単位:%)
・秋季に引き続き、スロー勢が優位にレースを運ぶ。迷ったら123箱舟券というのもアリ。
配当データ
~999円 | 21.8% |
1,000円~1,999円 | 23.6% |
2,000円~2,999円 | 13.1% |
3,000円~4,999円 | 12.8% |
5,000円~9,999円 | 13.2% |
10,000円~9,9999円 | 15.3% |
100,000円~ | 0.3% |
まとめ
今回は特徴やデータを基に掘り下げて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
まとめると福岡競艇場は、
・コース形状上、1コースの1着率は低め!2・3コースを狙いたい。
・満潮時のうねりに注意!捲くる艇には不利!
・配当分布はやや固め。人気サイドを嫌うには明確な理由がほしい。
競艇場名 | 水質 | 風の強さ | 各競艇場の主な特徴 |
桐生 | 淡水 | 普通 | 冬~春は「赤城おろし」が吹き水面が荒れやすい 夏場は穏やかな水面でまくりが決まりやすい。 |
戸田 | 淡水 | 弱い | 水面は年中を通して穏やかだが、コース形式上3コースやカドが有利1号艇の一着率は全国でワーストの所謂「まくり水面」 |
江戸川 | 汽水 | 強い | 強い河口付近に設営されているため全国屈指の難水面。 干満差や風の影響も受けやすく玄人向け |
平和島 | 海水 | 強い | スタンドと1マークまでの幅が狭く1号艇の1着率は最低クラスに低い潮の満ち引きや強いビル風が吹くなど荒れ要素 |
多摩川 | 淡水 | 普通 | 「日本一の静水面」といわれており非常に穏やかな水面。 どの艇が勝ってもおかしくないデータになっており時折高配当も |
浜名湖 | 汽水 | 強い | 全国最大級の水面面積。季節によって風向きが激しく変化する特徴。買い方には工夫は必要で配当は全国的にみても平均辺り。 |
蒲郡 | 汽水 | 普通 | 1マークのバック側が全国一番広く、豪快なターンや展開が見もの。クセは少ないため実力差は強く出る傾向で、配当は平均的。 |
常滑 | 海水 | 強い | 向かい風方向から強い風が吹くことが多く、フライング率が高い。2マークでの逆転も多々あり、中穴配当も出やすい印象 |
津 | 汽水 | 強い | 水面自体は特徴がなく走りやすい形状だが、夏場は季節風、冬場は鈴鹿山脈からの吹き下ろしと強風時には超高配当も。 |
三国 | 淡水 | 強い | 一年を通してスタート地点に強めの追い風が吹く。 そのため、インが主導権を握る傾向が強いが配当は平均的。 |
びわこ | 淡水 | 普通 | 標高が高く気圧が低い影響でダッシュ勢の活躍が目立つ。春~夏は沖から強い風が吹くこともあり、荒れる要素に。住之江淡水弱い |
住之江 | 淡水 | 弱い | 基本はイン有利の水面だが、2マーク付近では強烈な波が発生することが有り、ここでの逆転もしばしば。 |
尼崎 | 淡水 | 普通 | 多摩川と並んで非常に穏やかな静水面。 追い風が吹きやすいこともありイン有利な傾向で堅い決着が多い |
児島 | 海水 | 普通 | 干満差の影響を大きく受けるコースで、満潮時にはイン有利、干潮時にはまくりが決まりやすい傾向。椛島アナの実況が熱い |
丸亀 | 海水 | 強い | 年中風が吹きやすい競艇場、向かい風時にはセンター勢が好成績! |
宮島 | 海水 | 普通 | 干満差が激しく、スタートの難所と言われるほど。走りなれた選手が結果を残す事が多く、当地勝率には注目。徳山海水普通 |
徳山 | 海水 | 普通 | 1号艇の一着率が非常に高く、インコース全体の入着率も高いため固い決着が多い。その分買い方の難易度は高め |
下関 | 海水 | 普通 | 基本的にはインが有利な水面。 しかし横風が強く吹く事が多々あり、高配当が飛び出る場面も。 |
鳴門 | 海水 | 普通 | 防波堤の影響で潮の流れは穏やか。どのコースからも勝負になり、豪快なまくりが決まる場面も多々 |
若松 | 海水 | 強い | 干満差は少ないが、多方面から強い風が吹くことが多いため2マークでの逆転がよく起こり、中穴配当がよく飛び出す印象。 |
芦屋 | 淡水 | 強い | 風も追い風方向に吹くことが多く、水面も穏やかで全国屈指のイン勝率を誇る。インの信頼度が高い為、人気の選手が飛ぶと思わぬ高配当も。 |
福岡 | 汽水 | 強い | 1マークに発生するうねりの影響が顕著に現れ、ダッシュの助走距離も短いコースのため捲り型の選手に厳しい水面で差しの上手な選手が狙い目。 |
唐津 | 淡水 | 強い | 風が強く吹くことが多い競艇場で、風向きも変わりやすく午前と午後とで別物になることもしばしば。中穴配当が出やすい印象。大村海水普通 |
大村 | 海水 | 普通 | インの勝率が全国で1番といっていいほど高く、堅い決着になりやすい。 番組の構成で荒れる要素は含むが、基本はイン信頼。 |