今回は尼崎競艇場の特徴やデータ、傾向について詳しく掘り下げて解説していきます。
兵庫県尼崎市にある競艇場で、「センタープール」の愛称で親しまれています。
全国的に見ても屈指の静水面ですが、立地条件的に風の影響は受けやすくレースにも一展開与える。
近年はインコースが強い競艇場へと変貌しましたが、特徴を捉えて、予想の参考になればと思います。
尼崎競艇場の基本情報
・所在地
兵庫県尼崎市水明町199−1
・公式サイト
BOAT RACE尼崎 公式サイト
・レース映像
BOAT RACE BB-尼崎
・開催時期
年間通して日中開催(月間約3開催)
・モーター交換時期
4月
尼崎競艇場の概要
兵庫県尼崎市にある競艇場で「センタープール」の愛称で親しまれています。
この「センタープール」は当時の尼崎市長が「尼崎競艇場を核として快適な街を作っていく」という意気込みの元、命名されており、今もなお尼崎競艇場は多くのファンにも親しまれる競艇場となっています。
以前は「センタープール」だからセンター勢で決まると言われていましたが、近年ではインコースの成績が非常に高く、2020/5/1~2021/4/30までの1コース1着率は60.0%と平均よりも高く、インコースが優位な成績を残しています。
マスコットキャラクターにはアマガエルをモチーフにした「センプル」くん。
お仲間にピンク色の女の子「ピンクル」ちゃん、青色で少しキザな「ぶるたん」といて、それぞれの名前の由来には「センプル=センタープール」、「ピンクル=ピン(1着)来る」、「ぶるたん=センターが強かった当地においての4号艇の青色」となっており、細かくキャラ設定されています。
各マスコットはレース名にも入っており「朝からセンプル」(センターにA級選手)、「ひるどきピンクル」(1コースにA級選手)と企画レースとしても活躍。
特にセンプルくんについては周年記念レースポスターでも一面を飾ったり、目覚ましい活躍を見せている。(ぶるたんだけ少し影が薄い)
尼崎艇場の水面・特徴
コース形状
(引用:BOAT RACE尼崎公式サイト-水面特性・進入コース別情報)
全国の競艇場で唯一、2マークから1マークまで直線となっており、振り幅がほとんどないコースとなっています。
1マーク側は対岸との距離もしっかり取られており、これにより全速旋回がしやすく思い切った捲りや全速差しなど多彩で迫力あるレースが数多く見受けられます。
前述の一直線なコースに加えて、近年では出力低減モーターへの変更、プロペラ制度の変更に伴いインコースの勝率・入着率が高まり、インの強い競艇場へと変貌しました。
2ターンマークも全方位しっかり距離が取られており、「抜き」も比較的多く見受けられデータ面を見ても多彩な決まり手になっています。
水面・風の特徴
水質
コンクリートで護岸されたプール型の水面で、水質は「淡水」。
淡水のため水質は固いが、クセの少ない水面で荒れ難い静水面。
コンクリートで護岸されているプール型の水面には珍しく周囲を緩やかな弧を描くように縁取られており、これにより波は増幅しにくくなるため荒れ難いのだと思われます。
風の特徴
尼崎競艇場では、夏は「甲子園の浜風」、冬は「六甲おろし」と主に二種類の季節風があります。
どちらも主に向かい風となり、季節風の時期は強く吹きやすくあります。
低気圧が近づいたり雨天になると追い風になりやすい傾向があり、その際には差し展開に。
向かい風強風時にはダッシュ勢が有利な捲り展開となりますが、尼崎競艇場では捲られてもインコースが着を残せるコース設計となっており、出目データでも上位はインコースが占めています。
3連単出目データ
(BOATRACE尼崎-出目データより引用)
コース別入着率(直近3ヶ月のデータ)
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 63.5 | 15.1 | 7.7 | 5.1 | 4.4 | 3.9 |
2 | 12.0 | 25.7 | 17.6 | 18.2 | 14.7 | 11.5 |
3 | 11.8 | 25.9 | 20.5 | 16.8 | 14.4 | 10.4 |
4 | 7.5 | 19.6 | 21.5 | 21.0 | 17.5 | 12.5 |
5 | 4.9 | 9.6 | 19.0 | 21.1 | 26.9 | 18.2 |
6 | 1.2 | 5.0 | 14.7 | 18.9 | 22.1 | 37.7 |
.1(集計期間:2021/2/1~2021/4/30 単位:%)
・3着率は割れており、舟券内には度のコースもチャンスあり。
コース別決まり手
コース | 逃げ | 捲り | 差し | 捲り差し | 抜き | 恵まれ |
1 | 96.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 3.7 | 0.0 |
2 | 0.0 | 30.0 | 62.8 | 0.0 | 7.1 | 0.0 |
3 | 0.0 | 39.1 | 8.6 | 33.3 | 18.8 | 0.0 |
4 | 0.0 | 34.0 | 25.0 | 29.5 | 9.0 | 2.2 |
5 | 0.0 | 13.7 | 3.4 | 79.3 | 3.4 | 0.0 |
6 | 0.0 | 0.0 | 28.5 | 28.5 | 28.5 | 14.2 |
(集計期間:2021/2/1~2021/4/30 単位:%)
枠番別コース取得率
コース | 1コース | 2コース | 3コース | 4コース | 5コース | 6コース |
1 | 99.4 | 0.3 | 0.1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
2 | 0.5 | 93.8 | 4.9 | 0.6 | 0.0 | 0.0 |
3 | 0.0 | 0.6 | 89.7 | 8.0 | 1.3 | 0.1 |
4 | 0.0 | 1.0 | 1.8 | 84.1 | 9.5 | 3.4 |
5 | 0.0 | 2.0 | 1.3 | 4.0 | 80.2 | 12.2 |
6 | 0.0 | 2.0 | 2.2 | 3.4 | 9.0 | 83.3 |
(集計期間:2021/1/1~2021/3/31 単位:%)
春季のコース別入着率
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 59.3 | 17.6 | 8.5 | 4.2 | 4.8 | 5.3 |
2 | 13.6 | 29.0 | 17.9 | 15.2 | 12.9 | 11.1 |
3 | 11.1 | 19.5 | 22.2 | 21.3 | 14.1 | 11.6 |
4 | 10.6 | 18.5 | 21.2 | 16.2 | 19.1 | 14.0 |
5 | 4.8 | 11.1 | 17.2 | 24.5 | 21.9 | 20.1 |
6 | 1.2 | 5.2 | 14.4 | 19.1 | 27.3 | 32.4 |
(集計期間:2020/03/01~2020/05/31 単位:%)
・4コースまでは高い勝率を誇っており、5・6コースは少し厳しいが展開次第では。
夏季のコース別入着率
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 60.0 | 16.4 | 8.5 | 4.2 | 5.9 | 4.7 |
2 | 12.6 | 20.9 | 20.4 | 17.4 | 13.7 | 14.7 |
3 | 11.7 | 21.5 | 23.0 | 16.1 | 15.3 | 12.2 |
4 | 10.0 | 20.0 | 18.9 | 17.9 | 18.7 | 14.3 |
5 | 4.3 | 14.5 | 17.5 | 23.3 | 21.1 | 19.0 |
6 | 1.9 | 7.6 | 12.7 | 21.9 | 25.4 | 30.1 |
(集計期間:2020/06/01~2020/08/31 単位:%)
・ここでも5・6コースは春季とさほど変わらず、展開待ちか。
秋季のコース別入着率
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 57.7 | 20.1 | 5.5 | 7.6 | 6.1 | 2.7 |
2 | 17.3 | 21.4 | 21.1 | 15.8 | 13.0 | 11.2 |
3 | 10.0 | 23.0 | 19.4 | 17.9 | 16.4 | 13.0 |
4 | 7.1 | 17.0 | 22.3 | 25.4 | 13.4 | 14.5 |
5 | 6.9 | 11.5 | 19.4 | 19.4 | 24.5 | 18.1 |
6 | 1.8 | 8.0 | 13.2 | 14.7 | 26.1 | 36.0 |
(集計期間:2020/09/01~2020/11/30 単位:%)
・1・2コースの成績は依然良く、1コース入着率80%超はかなり高い数値。
冬季のコース別入着率
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
1 | 60.8 | 18.2 | 7.1 | 6.2 | 3.5 | 3.7 |
2 | 14.3 | 24.7 | 17.9 | 15.0 | 15.5 | 12.3 |
3 | 9.3 | 23.2 | 25.0 | 17.9 | 14.9 | 9.5 |
4 | 9.8 | 16.9 | 20.2 | 20.8 | 17.6 | 14.5 |
5 | 4.8 | 13.2 | 18.0 | 21.5 | 23.0 | 19.3 |
6 | 1.8 | 4.9 | 13.1 | 19.9 | 25.7 | 34.4 |
(集計期間:2020/12/01~2021/02/28 単位:%)
・センター勢の入着率が高い点が向かい風の影響かと思われます。
まとめ
今回は特徴やデータを基に掘り下げて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
まとめると尼崎競艇場は、
・インコースが有利なコース設計。基本の狙いはインコース!
・様々な展開になっても1コースの入着率は高く、捲られても舟券内に!
競艇場名 | 水質 | 風の強さ | 各競艇場の主な特徴 |
桐生 | 淡水 | 普通 | 冬~春は「赤城おろし」が吹き水面が荒れやすい 夏場は穏やかな水面でまくりが決まりやすい。 |
戸田 | 淡水 | 弱い | 水面は年中を通して穏やかだが、コース形式上3コースやカドが有利1号艇の一着率は全国でワーストの所謂「まくり水面」 |
江戸川 | 汽水 | 強い | 強い河口付近に設営されているため全国屈指の難水面。 干満差や風の影響も受けやすく玄人向け |
平和島 | 海水 | 強い | スタンドと1マークまでの幅が狭く1号艇の1着率は最低クラスに低い潮の満ち引きや強いビル風が吹くなど荒れ要素 |
多摩川 | 淡水 | 普通 | 「日本一の静水面」といわれており非常に穏やかな水面。 どの艇が勝ってもおかしくないデータになっており時折高配当も |
浜名湖 | 汽水 | 強い | 全国最大級の水面面積。季節によって風向きが激しく変化する特徴。買い方には工夫は必要で配当は全国的にみても平均辺り。 |
蒲郡 | 汽水 | 普通 | 1マークのバック側が全国一番広く、豪快なターンや展開が見もの。クセは少ないため実力差は強く出る傾向で、配当は平均的。 |
常滑 | 海水 | 強い | 向かい風方向から強い風が吹くことが多く、フライング率が高い。2マークでの逆転も多々あり、中穴配当も出やすい印象 |
津 | 汽水 | 強い | 水面自体は特徴がなく走りやすい形状だが、夏場は季節風、冬場は鈴鹿山脈からの吹き下ろしと強風時には超高配当も。 |
三国 | 淡水 | 強い | 一年を通してスタート地点に強めの追い風が吹く。 そのため、インが主導権を握る傾向が強いが配当は平均的。 |
びわこ | 淡水 | 普通 | 標高が高く気圧が低い影響でダッシュ勢の活躍が目立つ。春~夏は沖から強い風が吹くこともあり、荒れる要素に。住之江淡水弱い |
住之江 | 淡水 | 弱い | 基本はイン有利の水面だが、2マーク付近では強烈な波が発生することが有り、ここでの逆転もしばしば。 |
尼崎 | 淡水 | 普通 | 多摩川と並んで非常に穏やかな静水面。 追い風が吹きやすいこともありイン有利な傾向で堅い決着が多い |
児島 | 海水 | 普通 | 干満差の影響を大きく受けるコースで、満潮時にはイン有利、干潮時にはまくりが決まりやすい傾向。椛島アナの実況が熱い |
丸亀 | 海水 | 強い | 年中風が吹きやすい競艇場、向かい風時にはセンター勢が好成績! |
宮島 | 海水 | 普通 | 干満差が激しく、スタートの難所と言われるほど。走りなれた選手が結果を残す事が多く、当地勝率には注目。徳山海水普通 |
徳山 | 海水 | 普通 | 1号艇の一着率が非常に高く、インコース全体の入着率も高いため固い決着が多い。その分買い方の難易度は高め |
下関 | 海水 | 普通 | 基本的にはインが有利な水面。 しかし横風が強く吹く事が多々あり、高配当が飛び出る場面も。 |
鳴門 | 海水 | 普通 | 防波堤の影響で潮の流れは穏やか。どのコースからも勝負になり、豪快なまくりが決まる場面も多々 |
若松 | 海水 | 強い | 干満差は少ないが、多方面から強い風が吹くことが多いため2マークでの逆転がよく起こり、中穴配当がよく飛び出す印象。 |
芦屋 | 淡水 | 強い | 風も追い風方向に吹くことが多く、水面も穏やかで全国屈指のイン勝率を誇る。インの信頼度が高い為、人気の選手が飛ぶと思わぬ高配当も。 |
福岡 | 汽水 | 強い | 1マークに発生するうねりの影響が顕著に現れ、ダッシュの助走距離も短いコースのため捲り型の選手に厳しい水面で差しの上手な選手が狙い目。 |
唐津 | 淡水 | 強い | 風が強く吹くことが多い競艇場で、風向きも変わりやすく午前と午後とで別物になることもしばしば。中穴配当が出やすい印象。大村海水普通 |
大村 | 海水 | 普通 | インの勝率が全国で1番といっていいほど高く、堅い決着になりやすい。 番組の構成で荒れる要素は含むが、基本はイン信頼。 |